1.2なにかがおかしい

これが出発点SQiD

さて、ここからせん治療の本番です。
これまで、夜間など最低限の安全を確保する方法(薬物療法)について触れてきました。安全は確保出来ましたから、今度はしっかりと治療を考えていきましょう。まずは「せん妄の診断」からです。せん妄に気がつくことが出来なければ、せん妄対策は始まりません。
 
とはいえ、このフールプルーフ対策は、「誰にでも出来る」ことがウリです。難しい診断基準は覚えなくて結構です。たった一つの質問でOK!
 

■最も簡単なせん妄のスクリーニング

「いつもと様子が違いますか?」と家族、知人に尋ねる
Single Question in Delirium(SQiD) 1)

 
ポイントは、家族・知人に尋ねるというところです。軽度の意識障害は「なんとなくぼんやり」「不穏が目立たない」「後からしか分からない」といった特徴があります。
 
入院して間もない場合、患者さんがおかしいかどうか、看護師をはじめとする医療者には適切な判断が困難です。また、「年のせいだから、物忘れくらい仕方ない。入院したし」と、せん妄ではないと判断してしまいがちです。経験だけでは、看護師は80%のせん妄を見逃すと言われています。2)
 
 

せん妄の早期発見のため、ご家族・知人に尋ねてみましょう!

 
 


最終更新日2016.11.23



参考文献
1)Sands MB, Dantoc BP, Hartshorn A, et al. Single Question in Delirium (SQiD): testing its efficacy against psychiatrist interview, the Confusion Assessment Method and the Memorial Delirium Assessment Scale. Palliat Med. 2010;24;561-5
2) Inouye SK, et al. Nurses’recognition of delirium and its symptoms:comparison of nurse and researcher ratings. Arch Intern Med 2001 ; 161 : 2467-2473.