1.1大切なのは...
評価ツールで評価することではありません
院内○○対策、入院時スクリーニング、評価・・・今の看護の現場にはありとあらゆるスクリーニングが導入されています。せん妄対策も当然、スクリーニング・評価から...となることが多いでしょう。
もちろん、スクリーニングも評価も必要ないということはあり得ません。しかし、院内せん妄対策を考えた場合、スクリーニング・評価がいくら行われても、原疾患治療・せん妄対策の治療が変わらなければ、結果に結びつきません。たとえば、疼痛スクリーニングをいくらやっても、鎮痛剤が処方されなければ何の意味もありません。
医師の行動・処方を変えるのは、病院の様々な対策の中で一番難しいポイントです。そうだとすると、スクリーニングや評価について、正確性を求める余り手間のかかるものを導入しても、結局は「今晩、明日の結果は変わらない」→スクリーニングは使われずに廃れてしまうことになります。
ですから、スクリーニングに手間をかけずに、その先に行動の流れをもっていくことが重要となります。詳細なスクリーニングツール・評価ツールを準備する前に、医師に働きかける体制を準備することをお勧めします。それが「せん妄対策は夜寝ることから」なんです。
スクリーニング・評価の整備は、
その先の行動まで整えてから。
評価が目的ではありません!
最終更新日2017.1.27
参考文献
1)Sands MB, Dantoc BP, Hartshorn A, et al. Single Question in Delirium (SQiD): testing its efficacy against psychiatrist interview, the Confusion Assessment Method and the Memorial Delirium Assessment Scale. Palliat Med. 2010;24;561-5
2) Inouye SK, et al. Nurses’recognition of delirium and its symptoms:comparison of nurse and researcher ratings. Arch Intern Med 2001 ; 161 : 2467-2473.