0.せん妄+α=敗血症
たかが精神の変調と軽視出来ないせん妄
敗血症の新しい診断基準、quickSOFA
せん妄の治療にとって一番大切なことは、原因となる疾患の治療・改善です。しかし、せん妄は精神症状が目立つため、つい「ストレスでせん妄」などと考えがちです。
しかし、2016年ヨーロッパ・アメリカの学会が共同で、敗血症のガイドラインを改定しました。一般病棟では、3項目のうち2項目をみたせば敗血症と診断する、quickSOFAという基準が導入されました1)。
■quickSOFA
発熱でもCRPでもなく、意識の変化、呼吸数と収縮期血圧が判断基準です。
つまり、せん妄を認めた場合、呼吸数もしくは収縮期血圧が該当していれば、敗血症の可能性があるのです。
(すべてのせん妄が「意識の変化」に当てはまるわけではありません。「意識の変化」はGCM(グラスゴーコーマスケール)満点でなければ該当します)
■せん妄は早期発見の手がかり
せん妄は「精神疾患」ではなく、重篤なな病態を早期発見出来る警戒信号と捉えられます。
せん妄を発見した場合、診察・バイタルチェック・採血・採尿などが必要になります。昨日までのデータはあてになりません。昨日のデータは、せん妄がないときのものなのですから。
せん妄=診察、採血、採尿
最終更新日2016.11.20
1)Seymour CW, et.al.JAMA. 2016 Feb 23;315(8):762-74. doi: 10.1001/jama.2016.0288.